2020/07/22   2020/10/16

防虫・防カビ効果もある断熱材セルロースファイバーはシロアリから家を守ります!

お母さん
お母さん
私、虫が苦手なの。
もし、家に出たらと想像するだけでこわいわ。
断熱材「セルロースファイバー」は防虫性能もあるんじゃよ。
ゴキブリやシロアリに効果的じゃ。
セルじぃ
セルじぃ
お母さん
お母さん
断熱材なのに防虫性能もあるなんてすごいわ!
それだけじゃないぞ。
「セルロースファイバー」には木材腐朽菌やカビにも効果があるんじゃ。
シロアリや腐れ・カビは家を劣化させる大きな原因じゃ。
この性能のおかげで虫が発生しにくいだけじゃなく、家を長持ちすることができるんじゃ。
その理由は「セルロースファイバー」に含まれておる「ホウ酸」がポイントじゃよ。
セルじぃ
セルじぃ
お父さん
お父さん
「ホウ酸」は確か防火性能あって、燃えにくくする役割をあったな。
防虫性能もあるとは驚きだ。
では、住宅に現れる虫やカビのこわさとセルロースファイバーの防虫性能について解説するぞ。
セルじぃ
セルじぃ

 

 

虫やカビが住宅に与える甚大な被害

虫や木材腐朽菌は家を支える柱や床などを食べたり・腐らせたりします。
気づいた時には柱はボロボロ、床はミシミシ。
放っておくと家が傾き、地震がくると倒壊するということは決して大げさな話ではありません。

 

〈木造住宅の劣化原因〉
1位  腐朽
2位 シロアリ

 

 

家を食料とするシロアリ

皆さんご存知のシロアリ。
シロアリは家の木材を食い荒らす昆虫です。
女王シロアリは長寿の虫と言われており、30年〜50年生存していると伝えられています。
そのため、一度 巣を作ると何十年にも渡って家の木材を浸食し続け劣化させます。

 

シロアリは、食料となる木材や紙類などが豊富にあり、暖かい(10度以上)・湿気の高い場所を好みます。
この条件にあてはまるのが住宅の床下や柱、天井裏などです。

 

現在、冬も暖房器具の発達により床下などが暖かく保たれます。
そのため結露が発生し、湿った環境ができるため、寒冷地である北海道でもシロアリ被害が報告されています。
シロアリは全国的に一年中みられる住宅被害です。

 

また、海外から凶暴なシロアリ(カンザイシロアリ)が日本にも入ってきて東京などで被害が出ております。
このカンザイシロアリは湿った環境がなくても木であれば侵食する種類で非常に注意が必要です。

 

 

 

 

木材を分解する腐朽菌・健康をおびやかすカビ

「木材腐朽菌(キノコ)が木材を分解すること」を家の腐れといいます。
木材腐朽菌の胞子は空気中に浮遊しており、栄養となる含水量が20%以上の木材のある場所で成長します。
これもシロアリ同様、住宅の床下や柱、天井裏などに増えやすく、私たちの知らないうちに発生・木材を分解・劣化させます。

 

またカビは、木材腐朽菌と同じだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが実は違います。
カビは表面で繁殖し木材を分解することができないため、木材の強度が低下することはありません。

 

しかしカビは、木材以外にも湿気の多い場所や食べ物・水回りなどに発生。
カビを吸い込んだりするとアレルギーなどの健康被害を及ぼすことがあります。
カビと木材腐朽菌は同じような条件下で発生するため、カビを見かけた際は、見えない場所に家の腐れが発生している可能性も考えた方がよいです。

 

お父さん
お父さん
「セルロースファイバー」の調湿効果の記事で結露が家の大敵!と言っていたのは、シロアリや木材腐朽菌を発生させる環境を作ってしまうからなんだな。
そういうことじゃ。
「セルロースファイバー」は高い調湿性能と防虫効果があるから家を守る断熱材と言っても過言じゃないんじゃ。
セルじぃ
セルじぃ

 

お母さん
お母さん
でも、シロアリは木材と紙類を好むんでしょ?
新聞紙が原料の「セルロースファイバー」は本当に防虫効果があるのかしら?
ホッホッホ。
シロアリが紙である「セルロースファイバー」を好むから効果があるんじゃよ。
それじゃ、次は「セルロースファイバー」の防虫性能が高い理由について説明するぞ。
セルじぃ
セルじぃ

 

 

 

◎シロアリ:木材をむしばみ、全国一年中活動しています。
◎木材腐朽菌:湿気のある木材に生息し、木材を分解します。
◎カビ:高温多湿の場所に発生 木材を分解することはないが健康被害を及ぼす可能性があります。

 

セルロースファイバーの防虫性能が高い理由とは?

シロアリや木材腐朽菌・カビから家を守ることができる断熱材はセルロースファイバーだけです。
その理由は、セルロースファイバーには「ホウ素系薬剤」いわゆる「ホウ酸」が含まれているからです。

 

 

セルロースファイバーに含まれるホウ酸で防虫・防カビ

セルロースファイバーには、約20%以上ものホウ素系薬剤が均一に配合されています。
皆さんゴキブリ退治にホウ酸団子が効くという話を聞いたことがあるかと思います。

 

なぜ、ゴキブリにホウ酸団子が効果的かご存知でしょうか?
それは、昆虫であるゴキブリやシロアリはホウ酸を摂取しても、腎臓がないため細胞内のホウ酸塩濃度が限界値を超えると代謝が完全にストップし死に至るからです。

 

一般的に販売されているホウ酸団子には35%ホウ酸が配合されています。
セルロースと比べると15%ほど少ないですが、かなりのホウ酸の量が配合されている点で防虫効果が高いことがわかります。

 

また、虫だけではなく木材腐朽菌の胞子やカビにもホウ酸の成分によって死滅させることができます。

 

だからこそ、ホウ素系薬剤が含まれるセルロースファイバーは家の劣化原因である腐朽・シロアリに唯一効果を発揮する断熱材といえます。

 

上の写真は実際にシロアリ被害の実験の様子じゃ。
左が「ホウ酸」を塗った木材・右はなにも処理をしていない木材じゃ。
それらを6ヶ月間シロアリの生息場所に地上から40cmの位置にセットした結果じゃ。
セルじぃ
セルじぃ

 

お父さん
お父さん
うわ!
右の木材に空洞ができているぞ。
家の柱がこんな風に食べれたらと思うとこわいな。
「ホウ酸」は全く被害にあっていないのがわかるじゃろ?
これが家を長持ちさせる秘訣じゃな。
あと、下の表は「セルロースファイバー」の防カビ性能を調べる実験を第3者試験機関に依頼した結果じゃ。
試験方法は、「セルロースファイバー」にカビの混合胞子懸濁液(液体中に顕微鏡で見える程度の粒子が分散しているもの)を用いて、14日間培養したんじゃ。
セルじぃ
セルじぃ

 

お父さん
お父さん
2週間経っても発生しなかったんだな。
カビが生えないということは同じ発生条件の木材腐朽菌も発生しにくいことが推測されるな。

 

※調査機関:(地独)大阪市立工業研究所

 

 

ホウ酸は人に安心して使える天然資源

これだけ虫や菌に効果的なホウ酸が人体に影響がないのか気になる方も多いではないでしょうか?

 

結論、人体には影響はありません。
それどころかホウ素(※)は動植物が生きていくための必須元素で1日当たり1〜3mg必要です。
そして、人(哺乳動物)はホウ酸を摂取しても腎臓でろ過し尿で排出するため無害です。

 

ゴキブリ、シロアリなど腎臓を持たない害虫は摂取して細胞のホウ酸塩濃度が一定以上達すると代謝がストップし死んでしまいます。

 

また、ホウ酸は鉱物資源のため揮発性がなく(塗った液体が気体になること)壁や天井からホウ酸が揮発して出ることがありません。
そのため安心して断熱材に使用いただけます。

 

さらに揮発性がないので、ホウ酸による防虫・防カビ・防火・防錆効果は持続。
長期にわたり大切な家を守ってくれます。

 

 

※ホウ酸の安全性

毒性の強さの目安として、半数致死量という考え方があります。
これは、ある動物に対象物質を与えた場合半数が死に至るという意味です。
半数致死量はLD50と簡略化して書かれます。

 

ホウ酸をお料理で使う塩と比べてみましょう。

 

種類 mg/kg・bodywt(体重1kgに対して)
ニコチンLD50 50
カフェインLD50 200
ホウ酸LD50 2,000〜5,000
塩化ナトリウムLD50 3,000〜3,500
ビタミンC LD50 12,000
砂糖LD50 15,000〜36,000
セルロースファイバー(ホウ酸20%時)LD50 10,000〜25,000

 

上記より、セルロースに配合されたホウ酸を口に含むことはありませんが、塩化ナトリウム(塩)と比べてもその安全性の高さがわかります。
セルロースファイバーに20%のホウ酸が配合されていると考えセルロースファイバーの半致死量を計算してみると10,000~25,000mg/kg・bodywtとなりその安全性はさらに高いのがわかると思います。

 

また、ホウ酸は海水・淡水・植物(食物)・土など様々なところに存在する天然資源です。
普段から私たちの肌に触れ・食しています。

 

薬局では殺菌消毒性の高さから目の洗浄用(結膜嚢の目の洗浄)に販売されていて、2%以下で水溶液にして目の洗って使えるぐらい安全です。

 

 

※ホウ素とは

ホウ素は原子番号5の元素です。天然には酸素と結合したホウ酸塩という形で存在しています。
ホウ酸塩の主要産地はアメリカ・トルコで、日本は100%輸入しています。
ホウ酸塩は、地下の鉱脈で掘り出され、簡単な精製工程を経て、ホウ酸・ホウ砂などの商品に加工・販売されます。

 

〈ホウ酸塩の用途〉
1位 ガラス原料
2位 洗剤
3位 肥料
4位 セルロース断熱材用
その他にも目薬・化粧品の防腐剤・食品保存剤としてもホウ酸塩は使われています。

 

また、果物や野菜の栽培にもホウ酸塩は欠かせません。
土壌のホウ酸塩は雨で流されたり、食物に吸収され年々減少します。
これを補うためホウ素肥料は大切なのです。
日本でも、年間2000〜3000tものホウ砂が肥料として消費されます。

 

 

お母さん
お母さん
わかったわ!シロアリが「セルロースファイバー」を食べると「ホウ酸」も一緒に取り込まれる。
だからシロアリが死んでしまうのね。
そういうことじゃ!
「ホウ酸」は体内に入らないと意味がないからのぉ。
「新聞紙」と「ホウ酸」これは防虫にとってはベストの組み合わせじゃな。
セルじぃ
セルじぃ
お父さん
お父さん
あと、「ホウ酸」は僕たちが気づかないうちに暮らしに密着してたんだな。
安全性の高さもわかったぞ。
その成分が「セルロースファイバー」に使われているとわかると安心だ。

 

◎セルロースファイバーに含まれるホウ素系薬剤(=ホウ酸)がシロアリ・ゴキブリ・木材腐朽菌・カビをよせつけません。
◎セルロースファイバーに含まれるホウ酸は人体(哺乳動物)に影響のない天然資源です。

 

 

その他の断熱材の防虫性能

お父さん
お父さん
セルロースファイバーに防虫性能が高いのはわかったけど、他の断熱材はどうなのかな?
そうじゃな。
シロアリは穴をあけ(=せん孔)蟻道をつくりながら進み木材にたどりつく。
防虫性能があるのはセルロースファイバーだけじゃが、断熱材にはせん孔しやすい種類としにくい種類があるんじゃ。
セルじぃ
セルじぃ

 

断熱材 防蟻(シロアリ防ぐ)効果 状態
セルロースファイバー  ◎ 死滅させる
グラスウール  ◯ せん孔しない  個体数減少
ポリスチレンフォーム  × せん孔する
発泡ウレタン  × せん孔する

 

上にような調査報告があるんじゃ。
グラスウールは素材がガラスのためせん孔しにくいようじゃ。
ポリスチレンフォームや発泡ウレタンはせん孔することがそれほど難しくないようじゃ。
床下などの断熱材に使用する際は、注意が必要かもしれんのぉ。
セルじぃ
セルじぃ

 

 

セルロースファイバーの防虫性能のまとめ

「セルロースファイバー」の防虫性能についてわかってもらえたかのぉ。
セルじぃ
セルじぃ
お父さん
お父さん
家をながく大切に使うには、調湿性能と防虫性能のある「セルロースファイバー」断熱材は本当にいいな。
お母さん
お母さん
断熱性能も高くて、防音性能もある。
快適に暮らすことにも「セルロースファイバー」はいいわね。
じゃが、防虫性能はあくまでも「セルロースファイバー」を施している箇所の話じゃ。
家を清潔に保たないと虫は入ってくるかもしれんぞ。
セルじぃ
セルじぃ
お母さん
お母さん
そうね。お掃除も大切ね。
自分達の家は自分達で守らないとね。

 

◎家の劣化原因は腐朽とシロアリです。
◎セルロースファイバーはシロアリ・ゴキブリ・木材腐朽菌・カビなどの防虫効果がある唯一の断熱材です。