知れば知るほどいい断熱材だと思うけど、デメリットはないのかな。
ここでは、デメリットだけではなく、その理由や対策について解説するぞ。
メリットとデメリットを両方知ってこそ理解が深まるというものじゃ。
目次
セルロースファイバーの4つのデメリット
1.セルロースファイバーは他の断熱材に比べて価格が高い
セルロースファイバーは密度を高くするため、たくさんの量(かさ)が必要です。
例えば、一般的に使用される省エネ対応グラスウールとセルロースファイバーを比べるとセルロースファイバーの方が約3倍以上の量を使用します。
この量の差を見てもセルロースファイバーはたくさんの断熱材が使われ、その分コストがかかるということがわかります。
さらにセルロースファイバーは、グラスウールのように搬入時マット状になっていないため、建築現場でシートを貼り、そのシートの中に1スパンごとにホースで吹き込み作業を丁寧に行う必要があり大変手間がかります。
この手間もコストに反映され価格が高くなる理由の1つです。
具体例を上げると…
下記の条件でセルロースファイバーとグラスウールの戸建て住宅の価格比較を行います。
(一般的な 延べ床面積36坪・切妻屋根で下記の表の仕様で比較)
外壁(厚み:100mm) | 平らな天井(厚み:200mm) | |
セルロースファイバー | 密度 55kg/㎥ (グラスウールの約3.4倍) |
密度 25kg/㎥ (グラスウールの約1.5倍) |
グラスウール | 密度 16kg/㎥ | 密度 16kg/㎥ |
↓
材料費・施工費を踏まえて積算すると、
グラスウールよりセルロースファイバーの住宅の方がおおよそ48万円ほど価格が高くなります。
※36坪の戸建て住宅ですが、プランによって間口、奥行きの形、平らな天井か、勾配天井かによっても面積や施工価格の差額が変わりますので目安にしてください。
「セルロースファイバー」をパンパンに吹き込んで密度を上げることによって、ホールダウン(補強金物)や構造金物・筋交い・配管などの隙間をなくし、断熱欠損をしないようにするんじゃ。
断熱欠損があると断熱性能は十分に発揮されないぞ。
また密度が、高ければ高いほど蓄熱性能を上がる。
だから、夏の暑い時間帯の熱の伝わりを遅くし、冬は寝る前に暖房を切っても朝に温度が下がりにくいなど、夏涼しくて、冬暖かい家ができるんじゃ。
勘違いしていけないのが、断熱を強くすると夏に部屋が暑くなる、これは間違いじゃ。
夏に冷房でお部屋を冷やせば壁も冷え、冷たさも蓄熱され外からの熱を遮り部屋の涼しさが長く続く、快適に暮らせると言うことじゃ。
ここが大事じゃぞ。
これだけの材料と手間と効果。
価格が高いのも納得だな。
…でも価格は、家を建てるのには大事なことだからなぁ。
その中で断熱材をきちんと選び、約48万円の差額で長い暮らしのなか快適性がアップするのを高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれじゃな。(※一般的な延べ床面積36坪・切妻屋根の外観)
じゃが、最初の費用は他の断熱材より高くなってしまうが、その分 断熱性能が高いため光熱費を節約することができるぞ。
また高性能断熱材「セルロースファイバー」の家は、結露が起こりにくく柱の腐りや金物のサビを起こりにくくし家の老朽化を防ぐ・虫がわきにくいことからメンテナンスや修繕の費用が抑えられるのぉ。
それに建てた後から断熱性能を高くしたいと思っても壁の中の断熱材の場合など石膏ボードを剥がしたりと大規模改修になり、多額のリフォーム費用が発生するんじゃ。クロス張替えとは比較にならないほど費用がかかるんじゃぞ。
家はそうそう買い替えが出来るものではないから、家を建てる時からきちんと断熱材を選ぶことをオススメするぞ。
毎日暮らす家だから家族が快適に暮らせることは大切だ。
それに長い目でみれば決してセルロースファイバーを選ぶことは高くないとわかったよ。
2.セルロースファイバーが壁内で沈下する
セルロースファイバーの素材の重さ(自重)で沈下がおきます。
セルロースやグラスウールなどの繊維断熱材はやわらかく弾力性があるのですが、自重があればあるほど建物が風圧を受けたときの揺れや生活の細かな振動などにより徐々に沈下しやすくなります。
そうなると、壁の中で隙間があいたりするのかしら?
隙間は結露が起こったり、断熱性能が落ちたりするから困るわね。
「セルロースファイバー」の沈下の問題は、施工精度で解決じゃ。
「セルロースファイバー」は吹き込み施工。
自重の沈下に耐えれるだけの55kg/㎥以上(施工目標60kg/㎥)の密度を充填しパンパンに吹き込み、沈下しないように施工すれば大丈夫じゃよ。
第三者の試験機関でこの沈下試験は実証されており、「セルロースファイバー」をこの密度で充填すれば沈下しないということが確認されておるぞ。
ポイントは施工精度じゃのぉ。
それも熟練した施工業者に頼めば問題ないぞ。
どんなことに気をつけているか?など、しっかり確認することも大切ね。
無料でダウンロードできるチェック表もあるから、ぜひ活用しておくれ。
3.施工日数がかかり、セルロースの施工中は他の工事業者の方の作業がしにくくなる
セルロースファイバーの断熱工事は建物の1階の壁、2階の壁、勾配天井と同時に施工します。
柱と柱の間、勾配天井の母屋の間すべてにシートを貼り、貼り終わったら、セルロースファイバーの吹き込み作業に入ります。
そのため、とても手間がかかり木造住宅40坪ぐらいの大きさで壁・勾配天井に施工する日数は2~4日程度必要。
その間 建物の中の他の工事ができなくなります。
(配管作業や電気工事などは多少の作業なら状況次第では可能)
その際は、工事の工程を考慮していただく必要があります。
でも、何十年と住む家だから、その程度の日数がのびることは問題ないかな。
「セルロースファイバー」の施工は1スパンずつ丁寧に吹き込み工事をするからのぉ。
出来上がると壁・天井にパンパンに入るんじゃよ。
これは他の断熱材では見られんぞ。
下のリンク先の施工例にもあるんじゃが、施工直後からしっかり断熱されたことを感じることができるから、他の作業をしている人もビックリするくらいじゃ。
4.天井の隙間からセルロースファイバーが落ちてくる
平らな天井にセルロースファイバー吹き積もらせた際、気密をとれない住宅で天井に隙間があると、室内の換気扇などで強く空気を引っ張る隙間からセルロースファイバーが落ちてくることがあります。
天井の隙間の多くはダウンライトの器具と天井材の隙間や梁見せなど天井の仕上げ材の隙間が考えられます。
これこれ、慌てちゃいかんぞ。これもちゃんと対処方法はあるんじゃ。
ダウンライトの施工の場合は、しっかりと天井材とダウンライトの器具の隙間なく、きっちり取り付けをする。
梁やその他の部材の隙間には、木下地を入れたり、シーリングなどで塞ぐと隙間はなくなるぞ。
壁なども建物が完成後、エアコンの配管などで穴を開けたり貫通させることがあればシーリングはやパテなどで塞げばいいんじゃ。
これは、「セルロースファイバー」のデメリットというより、隙間をなくしきちんと内装工事をすることが大切じゃな。
これについても施工時に建築会社に一緒に確認したほうがいいわね。
セルロースファイバーデメリットまとめ
それに、デメリットも対策できることがわかったよ。
「セルロースファイバー」はデメリット以上に断熱・調湿・防音・防火・防虫・防カビなどメリットはたくさんあるから、デメリットをしっかり対策できるなら「セルロースファイバー」がいいなと改めて思ったよ。
どんな断熱材を選ぶにしても性能やメリット・デメリットなどをきちんと知ることは大切じゃ。
断熱材はどれも一緒でしょ?という思い込みはあまりよくないのぉ。
住んでから後悔しないよう勉強することをおすすめするぞ。
1.価格が高い → 光熱費・修繕費用など長期的に見ると大きく変わりません
2.壁内で沈下する → 施工精度・密度を管理すれば問題ありません
3.施工日数がかかる → 手間のかかる施工のためご理解お願いします
4.天井から落ちてくる → 内装工事の際、隙間ないよう施工すれば問題ありません
セルロースファイバーはデメリット以上に断熱・調湿・防音・防火・防虫・防カビなどメリットが多くあり総合的にみて優れた断熱材です